眠れない夜の散歩道

ベトナム帰りの50代男が綴る東京生活

コーヒー断ちと紅茶の話

コーヒー断ちをして一つ残念に思っていることがある。
それは、暇つぶしにカフェに立ち寄るというのがしにくくなったこと。カフェでコーヒーを飲みながら本を読んだり、単に時間をつぶしたりするのはごく当たり前のことだった。
コーヒーを飲めなくなっても、カフェなら必ず紅茶は置いてあるからそれを飲めばいいだけだろうと言われるかもしれない。それはそうなのだが、紅茶の場合、ティーバッグで出てくるのが気に入らない。ティーバッグの紅茶なら自宅で飲んでも味が変わらないではないか。

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コーヒーの場合は、まあよっぽどの凝り性で豆から買って挽いて飲むという人なら別かもしれないが、カフェで飲むコーヒーの方が家で飲むのよりずっとうまい。だからカフェでコーヒーを飲むことに抵抗はない。
けれども、ティーバッグの紅茶を店で飲むのはすごくお金がもったいなく感じる。
そのため、何かを食べるついでに飲むという場合以外はカフェに立ち寄ることがほとんどなくなった。
たしかにお金の節約にはなるが、楽しみを一つ失ったような気がする。

ここまで書いて思い出したことがある。
私が大学生の頃だから、今から30年以上前の話だ。
そのころ住んでいた吉祥寺の北口、駅から10分ほど歩いたあたりに紅茶専門店があった。若い女性が一人でやっている店だった。紅茶専門店だけあって、紅茶はティーバッグではなく、ポットで出てきた。種類も豊富だった。
その頃からコーヒー党だった私がなぜかその店を気に入って、ときどき通っていた。

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……はずなのだ。しかし、今吉祥寺北口の様子を思い浮かべてみると、いったいあの店がどこにあったのか、まるで思い出せない。
サンロードを北に歩き、バウスシアターを通り過ぎて突き当たった通り沿いだったろうか? なんだかしっくりこない。
もちろん今では残っていないだろう。

それでも一つだけ確実に言えることがある。紅茶を飲みに店に通ったことが自分にもかつてあったのだ。